求電子置換反応の置換基の影響 反応性と配向性
反応性
反応性は、電子供与性であるアルキル基(CH3)や、非共有電子対をもつ置換基(OH,NH2)が結合した芳香族はベンゼンに比べ反応性が高くなります。
一方、ハロゲン(F,Cl,Br,I)や不飽和結合をもつもの(NO2,CO2H,COCH3,SO3H)、CF3などの強力な電子吸引基が結合した芳香族はベンゼンに比べ反応性が低くなります。
おおよその順序は下図のようになります。
下記の参考書に、置換ベンゼンをニトロ化した時の相対速度が詳細に載っていますので興味がある方はご活用ください。
【参考】
(ボルハルトショアー下巻 表16-2)
配向性
一般に配向性は、電子供与性の置換基はオルトパラ配向性、電子吸引性の置換基はメタ配向性になりますが、例外としてハロゲンは非共有電子対の存在により電子吸引性の性質でありながらオルトパラ配向性になります。
電子供与性 | 電子吸引性 | ||
置換基 | OH,OCH3,NH2,NHCH3,CH3,など | F, Cl, Br, I (ハロゲン) |
NO2,CO2H,CF3,SO3H,CNなど |
配向性 | オルトパラ配向性 | メタ配向性 |
【参考】
(ソロモン上巻表14-2, ボルハルトショアー下巻 表16-1)
まとめ
・芳香族の求電子置換反応の反応性は、芳香族に電子供与性の置換基が結合していると、一般に反応は速くなり、電子吸引性の置換基が結合していると反応性は低下する。
・電子供与性の置換基はオルトパラ配向性、電子吸引性の置換基はメタ配向性、例外としてハロゲンはオルトパラ配向性となる。
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